ケーキ屋の彼

「お前は人のこと考えてないで、自分のこと考えろ」


目の前で何かを考えている柑菜に対して、涼はそう言う。


そして「ほら」と、柑菜を櫻子と秋斗の元へ連れて行った。


「柑菜ちゃん、仲直りはできた?」


「うん」


「そう、よかったわ」


「ねえ、そろそろ誕生日プレゼント渡さない?」


一旦散らばっていた6人を集めることも兼ねて、櫻子と柑菜は今からプレゼントタイムにすることにした。


なんと、涼と美鈴と秋斗もそれぞれプレゼントを持ってきていた。


「亜紀ちゃん、これ私たちから」


櫻子と柑菜は、可愛らしい包装がされた腕時計を亜紀に渡した。


「ありがとう!」


秋斗と美鈴と涼は、それぞれお菓子の詰め合わせ、画集、紅茶セットをプレゼントする。


「わざわざありがとうございます」


亜紀は、嬉しそうに渡されたプレゼントを抱えるのだった。
< 66 / 223 >

この作品をシェア

pagetop