ケーキ屋の彼
「お前は人のこと考えてないで、自分のこと考えろ」
目の前で何かを考えている柑菜に対して、涼はそう言う。
そして「ほら」と、柑菜を櫻子と秋斗の元へ連れて行った。
「柑菜ちゃん、仲直りはできた?」
「うん」
「そう、よかったわ」
「ねえ、そろそろ誕生日プレゼント渡さない?」
一旦散らばっていた6人を集めることも兼ねて、櫻子と柑菜は今からプレゼントタイムにすることにした。
なんと、涼と美鈴と秋斗もそれぞれプレゼントを持ってきていた。
「亜紀ちゃん、これ私たちから」
櫻子と柑菜は、可愛らしい包装がされた腕時計を亜紀に渡した。
「ありがとう!」
秋斗と美鈴と涼は、それぞれお菓子の詰め合わせ、画集、紅茶セットをプレゼントする。
「わざわざありがとうございます」
亜紀は、嬉しそうに渡されたプレゼントを抱えるのだった。