ケーキ屋の彼
「お待たせー」
涼と柑菜が駅に着くと、すでにほかの4人は到着していて、2人は小走りで4人のもとへ向かう。
「じゃあ、行きますか」
美鈴が先頭になり、改札口を通り抜けた。
夏休みということもあって、駅には若者が溢れている。
みんな、この暑さに合わせてかなり薄着をしており、それでもなおアイスを食べたりうちわを仰いだりしていた。
亜紀も、持ってきた水を一口飲んで水分補給をする。
冷たい水がのどを潤し、身体にしみ込んでいくのが分かった。
電車に乗ると、特に席は決まっておらず各々好きなように座ろうと話し合った。
電車も席は空いているものの、6人連続でというものは当たり前のようになく、2人ずつ少し離れた席に座ることにした。