ケーキ屋の彼

「美鈴さんって、もしかしてですけど秋斗さんのこと好きだったりします?」


美鈴と亜紀は、まさかの恋愛トークをし始めた。


それぞれ、お互いの会話は聞こえないところに座っている。


また、電車の中ということもあり、なるべく小さい声で話すも、高校生の女子軍団らしき人々の話し声のおかげで、隣接する人以外にはほぼ聞こえない。


「亜紀ちゃんって、よく観察してるわよね」


「やっぱり、そうなんですね」


この前の誕生日からなんとなく感じていたものの、どこか確信を得られなかった亜紀だったが、本人の口から聞くことによって納得する。


それと同時に、『どうしよう』という思いも感じ始めた。


自分の友達である柑菜、そして先輩の美鈴。
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