ケーキ屋の彼

「櫻子、私すごく美味しいケーキ屋知ってるから、そこで買わない?」


柑菜の頭の中に思い浮かぶのは、もちろんあそこのケーキ屋。


「あら、いいわね、それなら早速今日行ってみましょう、食べてみたいわ」


ケーキというものは、週に何度も食べるものではない。


だから、ケーキ屋に行くのも、自ずと週一程度と決まってくる。


しかし、こうしてケーキ屋に行く用事を作ることができた柑菜は、週初めの憂鬱な月曜日にも関わらず、心が弾んでいた。


もちろん、今日のランチのメニューがカニクリームコロッケだということも、月曜日の鬱さを取り除くには十分な条件ではある。


しかし、2つが合わさることによって、柑菜は何倍も浮かれた気持ちになった。


ちなみに、その気持ちも午後のつまらない授業で半減はするのだが。


2人は、ケーキ屋の場所が決まると、再びカニクリームコロッケを再び頬張る。


そして、周りの人と同様、その味に笑顔になった。
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