夢を追え!!
言わないだけで同じことを考えていたのは、男子も同じだ。
雪兎の実力なら、どこでも活躍できる。なのに、なぜ試合に出ることが出来ないと分かっている男子サッカー部に所属をしようとするのか。
同じ学校に、女子サッカー部があると分かっているのにも、関わらず、だ。
「…試合に出られなきゃ、オレがやってることは全部ムダなわけ?」
不意に低い声が耳に届く。
さっと青ざめた女子のキャプテンは、雪兎の冷え冷えとした目に失敗したと悟る。
だが、雪兎の怒りは収まらない。
「別にいいよ。あなたが最重視するのは試合なんだね。でも、あなたの価値観をオレに押し付けんな。オレは、オレ自身が試合に出るかどうかなんて、どうでもいい。オレ自身が有名になることなんか、望んでない。…あなたの夢のために、オレを利用しようとしてんじゃねぇ」