夢を追え!!
「ゆーきー?なぁに逃げてんのかなぁ?」
「お兄様から逃げられると?」
逃亡失敗。逃亡タイム30秒って…。
頭を撫でられる。…端から見たらカツアゲだと思われるんじゃないか?
振り返ると、満面の笑みを浮かべた怜斗とルカがいた。あぁ、わっるい顔。なのに、オレの頬を見た瞬間にその表情が色をなくしていく。
だから逃げたかったのに…。
「おおおおお前っそれどうした!?」
「殴られたのか!?誰に!!?」
揺さぶられながら混乱してる2人にため息をつく。説明するのめんどくさい。…直矢、傷つくかな。
「雪、兎?」
あ、しまった。彰矢たちに帰ってって言うの忘れた。
案の定、怜斗とルカの眼光は彰矢に向かう。
「てめぇか。俺たちのゆきを殴ったのは」
「倍返しにしてやろうか?」
「ストップ。落ち着けバカども」
彰矢に迫った2人の無防備な後頭部にグーパンチを決めた。