夢を追え!!

「ただいまぁ」

「おかえり。ゆき…と?」

「遅かった…ね?」

バーのドアを開ける。中で開店準備をしてたみんながその手を止める。

でも、一様にオレを見た途端その動きが止まる。正確には、オレの頬を見た瞬間に。

「ゆ、雪兎それどうしたんだ!?」

「殴られたの?冷やした?」

愛樹と由和が駆け寄ってくる。

由和の手が頬を撫でる。痛いし…。

「ゆき」

聞こえてきた低音に体がビクッてなる。…直矢、めっちゃ怒ってるじゃん……?

さてと、言い訳用意したけど通じることやら。

近づいてくる直矢に向き合い、伸ばされた手に抵抗せず、湿布が剥がされる。晒された青く染まった頬に息を飲む気配がした。

同時に膨れ上がった直矢の怒気。
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