夢を追え!!

「なんか愛華までいるし」

「別に兄に会いに来た訳じゃないわ」

「知ってる。なぁ、雪兎。今日10時まで手伝ってくんね?バイトいねぇ」

「いーよ。接客の方だよな?」

カウンター越しに声をかけてきた美男は、愛華のしれっとした態度にもろともしない。

店手伝うの久しぶりだなー。まぁ、料理(ほぼ酒)運んで、下げるだけだけど。

「ちょっと、ゆき。明日テスト」

「課題見とけばいけるだろ?」

お節介な愛華を適当にかわす。って、何しに来たんだ?

ため息をつくとくるっと背を向けて店を出ていこうとする愛華に続こうとすると、突然振り返って指を突きつけられる。

「もういいわよ!」

「はぁ?さっきボディーガードしろって言ってただろ」

「うるさい。とにかくいいから。じゃ、明日ね、ゆき」

「え、おい!」

ひらひら手を振って出ていった愛華に目の前でドアを閉められる。…愛華、相変わらず気まぐれだな、ほんと。
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