夢を追え!!

「なぁ、聞いてる?」

顔を向けると、思わず息を止める。顔ちっか!?ってあれ…?

ある一点に違和感を覚えたとき、水城は急に離れていく。顔を真っ赤にさせていた。

「あ、ありがとうっ!」

「え?おい!」

ノートを引ったくるように持つなり、逃げ去っていく。呼び止める間もなかった。

…でも、水城の唇。あれ、口紅、だよな?

妙に艶があったし。…リップだけか?いや、それにしてはなんか……。うーん、別に男が付けててもおかしくないか。

大した問題じゃないと頭のすみに片付けて止めていた手を動かす。早く行かねぇと彰矢が飛んでくる。

「ゆーきーとー!」

「っ!?」

「どわ!?」

…マジで飛んできたな。避けたから床に伸びちゃったけど。

ノロノロと起き上がった彰矢に恨みがましい目で見られたけど、オレが受け止められると思ってたのか?
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