夢を追え!!

くまは少し訝しげな顔はしたけど、それ以上聞いてくることはなかった。

そんな風に歩いていると、前から見知った顔が近づいて来ることに気づく。自然と眉間にシワがよったのは気のせいだ。

「あ、塩岡~」

彰矢も気付いたのか無邪気に手を振る。それに気がついた塩岡は一瞬オレを見たものの、無視して彰矢に軽く手をあげて見せる。

てか、こいつが誰かと歩いてるとこ見たことねぇような気がする…?

「お前らよく一緒にいるよな」

「おう!やっぱ1番話しやすい!」

「ふーん」

チラッと視線を向けられる。すぐにそらされたけど、暗にお前がいなければと言われているような気がした。

「そういえば、彰矢数学のワーク終わってるか?」

「おう!頑張ったぞ!」

胸を張る彰矢に苦笑いする。確かに頑張ってた。ほんとに泣きながらやってたからな、彰矢…。

思わず遠い目をしてしまっていると、塩岡は彰矢に手を差し出していた。
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