夢を追え!!
「ッ~雪兎!!」
両手を広げて駆け寄ってきた彰矢を受け止め、すっかり愛華に怯えている様に苦笑いする。
「グランド直行したんだろ」
「だって久しぶりだから嬉しくてつい…」
大方嬉しすぎて愛華の話を忘れたか、聞き流してしまったかのどちらかだろう。
申し訳なさそうにしているが、それ以上に怯えている彰矢がかわいそうになってきて、話を変えることにする。
「それで、赤点は回避できたんだろうな?」
「それはもちろん!!俺頑張った!」
「松谷、カバン」
「ありがとうございます!!」
副キャプテンからカバンを受け取った彰矢は、がさごそとカバンを探り、出てきたテスト用紙を突き出してくる。
それを受け取って点数を見ると、赤点どころか平均点も余裕で超えていた。