夢を追え!!

「結果出てるな」

「へへっ雪兎が根気よく教えてくれたからだよ」

二カッと笑う彰矢に毒気が抜かれて自然と笑みが浮かぶ。

「うわぁ…」

キャプテンの呆れたような声に振り返ると、塩岡の解答用紙を手にしているキャプテンと小月先輩の表情が暗い。理由は言うまでもなく、塩岡の点数だろう。

「全部赤点とか、お前1週間何やってたんだよ」

「塩岡再試かぁ…」

副キャプテンの厳しい声に対して、キャプテンはまだショックが収まらないのか、深いため息をついてしまっている。

対する塩岡は悪びれることもなく、飄々とした様子だった。

「交代なしか…。助っ人呼べるか?」

「どうだろ。他の部活も新人戦多いもんな…」

「え、俺出るんでいいですって」

塩岡の発言に空気が凍りつく。

こいつ、自分が再試だって分かってるんだよな。それとも、再試の意味を理解してないのか…?
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