夢を追え!!
‐怜斗side‐
「~♪」
ゆき早く戻ってこねぇかなぁ~?
“あれ”を着たゆきの姿を想像して思わず口許が緩む。
「怜斗、やけにご機嫌だな」
「ん?そりゃ、なぁ」
想像してまたニヤニヤするのをやめられねぇ。キモいと言われたのは無視して掃除を進める手を動かした。
バンッと大きな音を立てて店と住まいを分けるドアが開く。
開いたドアの向こうには殺気だった目で店内を、いや正確には俺たちを見つめるメイド服姿の雪兎がいた。
なんか一見男の娘みてぇ。
そんな雪兎を見つめてると、視線がバッチリ重なる。あ、やべ。
逃げよと思って背を向けたとほぼ同時に、全身に走った衝撃に口から変な声が飛び出す。
あっれー?ゆき速くなってね?
とか思いながら地面に倒れた。