夢を追え!!

彼女を傷つけようとしてることは分かってる。

でも、勘違いさせたままではいつか必ず綻びが出来てしまう。だから、はっきり伝えなきゃいけない。

オレのためにも、彼女のためにも…。

「オレは……私は、自分が弱いのが嫌なんだ。私の中で、この格好は強さの証。それ以外の意味なんて何もない。勘違いさせたのは悪いと思う。だけど、文句を言われる筋合いなんかないと思う。だって、私はこの格好の私が好きだから。水城さんだって、好きなんだろ?“今”の自分が」

「…」

「仲間が欲しいのは分かる。目の前に、仲間のような人がいて、それにすがろうとした気持ちも分からないわけじゃない。…でも、それを押し付けられた側は迷惑だよ」

深くうつむいた彼女の顔は見えない。

でも、これ以上言うこともない。

「キャプテン、練習戻りましょう」

「あぁ、わかった」

何も言わずに一足先に戻っていくキャプテンのあとを追いかける。

何か言いたかったらしい愛華も何も言わずについてくる。その様子にちょっとほっとした。
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