夢を追え!!
「…ッ、お……荻原っ!」
「な、なんだよ」
「…あ、………ぁり、がが……」
また壊れたラジオみたいになりやがった…。
呆れた目で見ていると、塩岡の背後から彰矢が走ってくるのが見えた。
「塩岡!」
「彰矢…ッグエ!?」
近づいていても勢いが止まりそうにない彰矢は、オレたちが止める間もなく塩岡に向かって飛び蹴りをした。
もちろん、誰も意図していなかったことで、塩岡が避けられるはずもなく…。
見事に吹っ飛ばされた塩岡を呆然と見ていると、彰矢は腰に手を当てて塩岡を見下ろした。
「雪兎にお礼言えよ!!バカ塩岡!」
「彰矢言ったのか!?」
おいおい…。隠して渡せってお願いしたはずなのに、言ったのかよ…。
塩岡、だから来なかったのか……。