夢を追え!!
地面に転がってた塩岡は、起き上がってあぐらをかくと気まずそうにオレを見上げてくる。
「…あ、ありが…とう」
「…あぁ、再試お疲れ」
「…」
またそっぽを向いた塩岡。わずかに見えた耳が真っ赤になってるのが見えた。
「さてと、塩岡も戻ってきたことですし?実践練習でもしましょうか」
「おぉ、いいな。紅白戦でもするか」
様子を見ていたらしいキャプテンたちもニヤリと笑う。
最近基礎練重視で試合形式で練習やってなかったからな。ストレス貯めさせちまったのかもしれねぇ。
あっという間に準備をしていく先輩たちにポカンとした顔の塩岡。
あ、そういえば言ってなかったな。
「塩岡、一応名乗っとくと、月掛高校男子サッカー部マネージャー兼監督になりました、荻原雪兎です。よろしく」
「…」
手を差し出すと、目を見開いて呆然とした顔の塩岡。数秒後、校内に響き渡る絶叫が轟いた。