夢を追え!!

「俺のクラスメイトの野々村 千歳(ののむら ちとせ)。サッカー部に興味があるって聞いたから連れてきた!」

「の、野々村です……あ、あの……すみません、僕なんかが…」

彰矢と並んでいるせいもあるだろうけど、すごい自信がないように見える。

背を丸めて、まるで縮こまってるみたいだ。両手を握り合って上目遣いで見てくるのも、正直印象がいいものじゃない。

さっきの見て怖い奴と思われた?

一歩近づくと、目を見開いて凝視してくる。…怖がられたか。

それでも、交友的な笑みは浮かべたまま、一歩近づいてこないと手を握れない距離で止まって手を差し出す。

「荻原 雪兎。一応、監督ってことになってるけど、同級だから。よろしく、野々村くん」

「っえ、あ……お願い、します……」

かなりおどおどと、迷いながら近づいてきてかなり軽く握手する。

オレが力抜いた瞬間、光の早さで離れてったけどな。
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