夢を追え!!
「あ…あの……」
遠慮がちな声に視線を向けると、深くうつむく野々村の姿があった。
露骨だったか…。謝罪されるのを覚悟していると、野々村はもじもじと何度か視線を迷わせてから口を開く。
「入部届けって、どこでもらえますか…」
「っえ、……職員室でもらえる。届は顧問の先生に出せばいいけど」
「ッ」
思わず呆けた声を出してから固まりすぎた。
でも、野々村はたいして気にした様子もなく、頭を下げると早足で去っていってしまった。
…入部、する気になれたんだ。あれで。
思わず呆然と野々村の背を見送っていると、後ろから頭をはたかれた。
「態度」
「…いや、ちょっとビビった」
滝原が注意するほどだ。露骨な態度だった。反省…。