夢を追え!!
「っ響先輩、下ろして!」
「はぁ?ダメだ。先輩を心配させるような後輩の言うことなんか聞かねぇ」
「っちが…キャプテンと話したいんです!!」
「ん?…あぁ、なるほど。なら俺が行ってくるよ。響、連れてっていいから」
「おー」
「え゛!?」
萊先輩が行くのか!?
今、先輩たちに退部届書けって言った人が!?
無慈悲に退部届を突き付ける姿を想像して血の気が引くのを感じる。
待ってくれ、キャプテンは、キャプテンだけは確実に呼び戻せる可能性があるのに!!
既に背を向ける萊先輩に手を伸ばすけど届かない。しかもいくら呼んでも足を止めやしない。
待って待って待って!!
…こうなったら!!響先輩に落とされる覚悟で暴れようと手に力をこめる。
「呼び戻すんだろ。分かってるから萊に任せとけ」
「…え?」
響先輩、今なんて言った…?
動きを止めて顔を見ようとしても、髪の毛しか見えない。
萊先輩の方を見ると、キャプテンを呼び止めてなにかを話し始めてるのが見えた。