夢を追え!!

「直矢?」

声をかけても起きる気配はない。

青羽は帰ったのか、店も休みだから異様に静かに感じる。

とりあえず水を飲んで、ルトの水も入れ替えて、直矢のところに戻ってくる。

起きる気配はない。

…ちょっとだけなら、いいよね。

直矢を起こさないように、隣に転がってみる。そっと直矢の腕の中に収まって、見上げてみる。

うん、起きない。

直矢が起きないことをいいことに、勝手にくっついたり、すりすりしてみたりする。

「…直矢のバカ」

全然気づいてくれない。青羽なんか、とっくに気づいてるのに。

「…好き、だよ」

ずっと、ずっと…。

でも、直矢は応えてくれない。応えられない。

分かってるよ。でも、想うことだけは許して…。
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