夢を追え!!

「幼なじみなんだよね?白鳥さん、雪兎くんのことになると血相変えるんだもん。まるで親みたい」

「…水城さんも、そう思う?」

「うん、友達の域は超えてる」

ズバズバとした物言いにこっちまで、爽快な気分になる。

でも、と続けた水城さんはオレを見て心配そうな目をする。

「白鳥さんをそうさせるほど、雪兎くんが何かを隠してるんじゃないかなって思うの」

思わず、表情が凍りついた。

今の流れで、原因がオレにあるなんて話になると思ってなかった。

「雪兎くん、体力テスト平均以下だよね。サッカー、あんなに上手なのに」

「…」

「手を抜いてるのかなって思ってたけど、雪兎くんがそんなことするように思えなかった。…だから、もしかしたら全力を出せないんじゃないかなって」

一時期ストーカーかってほど好かれていたのを思い出す。

水城さんも、オレをよく見てる。もしかしたら、愛華以上に、的確に…。
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