夢を追え!!
「葛城さん、はじめまして。2年の近藤萊です」
「葛城佑哉だ」
初めて顔を合わせる2人が自己紹介を済ませる。
「キャプテンは誰になったんだ?五十嵐か?」
「二木ですよ」
「五十嵐に譲るって…」
「お前まだ言ってんのか」
キャプテンはため息をつくけど、響先輩が譲るつもりはないから諦めるしかないと思う…。
まぁ、正直キャプテンに向いてるのは響先輩なのは分かってるけど。
葛城さんはそれ以上興味はないようで、ポジションの確認を始める。
先輩が来てくれたことで、随分まとまりやすい。
「監督、ぼさっとするなよ」
「あ、はい!」
いつの間にか選手たちが作っていた輪。自然と空いている1人分のスペースに吸い込まれるように入っていく。
自然と、作られていたスペース。
たったそれだけなのに、思わず顔が緩んでしまうのを許してほしい。
みんなで団子のようになりながらする作戦会議は盛りあがり、時間はあっという間に過ぎていった。