夢を追え!!

そんな姿を見送りつつ、トーナメント表を確認する。

2戦目の相手までは、あんまり聞いたことがない。でも、4戦目からはシード校が入ってくる。

ここまでいけたら上々、まぁ今回は試合に出ることが目的だから勝ち進める分だけボーナスみたいなもんだ。

「雪兎くん、そういえば白鳥さんからこれ」

「え?」

愛華が水城さん経由してくるなんて…。

まぁ、教室でも一切話すどころか目も合わせてないから、気まずいんだろうけど…。

水城さんから受け取ったのはA5の紙。折りたたんであるそれを開くと、案の定退部届だった。

「白鳥さん、退部するんだ」

「…愛華は、元々スポーツなんて興味ないからな。オレがいるから入っただけだよ」

これで良かったんだと思う。

チームがまとまればまとまるほど、愛華が浮いてきていたのは事実だ。

それに、誰も愛華の話題を出さない。マネージャーとしての認識も殆どなかったんだろう。
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