夢を追え!!

応援がいないことも、選手たちはあまり気にしてないらしい。

アップが始まると、完全に試合のことで頭がいっぱいになったようで、表情が緩んでいることすらなかった。

「先生すらいないことに驚かれてるな」

「ゆきくん、男の子のマネージャーって思われてるんじゃないかな?」

「こんな何もやってないマネージャーじゃ、何様状態ですね」

ドリンクやタオルの準備をする小月先輩と、録画と記録の準備をする水城さん。

ベンチに手帳サイズのホワイトボードを持って、のんびりしてるように見えるオレ。

うん、何様だな。本当に。

「監督!アップ終わった!ボール蹴っていい!?」

「パス練はキャプテンと、滝原とやれよ」

「じゃあ萊、俺らも…」

「響先輩は岩田と葛城先輩と!くま!萊先輩と助っ人の先輩と!!」

仲いい人はあえて合わせなくても大丈夫だ。普段あまり声かけ合ってないメンバー同士のほうが、より意識に上がってくると思う。

まぁ、個人的な意見だけど。
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