夢を追え!!

「ッ野々村!てめぇパスくらいまともに!!」

「っひ!?」

「塩岡!キーパーなんだからどんなボールでも止めろ!!!!」

塩岡には、野々村を当てた。もちろん、パス練などではなく、塩岡だけ特別にキーパーの練習として。

何やら勘違いしたらしい塩岡に怒鳴り返すと、野々村の方が完全に萎縮してしまった。

…助っ人にレギュラー取られて拗ねるどころか、いつもと全く変わらない態度に少しばかり呆れもしたが、どこに返されるか予測できない彼のボールは、塩岡の反射神経を研ぎ澄ますにはいい練習台だと思う。

塩岡も、自分だけパス練ではないことを渋々理解したようで、ため息を付きながらも野々村に声をかけた。

「え、生徒が監督…?」

「まじか」

相手選手からジロジロと視線が向けられてるのがわかる。

…形だけでも先生付いてきてもらえばよかったかもしれねぇな。
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