夢を追え!!

「先輩たち、人混みに流されて歩いてるから会えたら会おうだと」

「じゃあ俺たちも行こうか」

黙っていた滝原たちが、何事もなかったように振る舞ってくれる。

気を使わせてばかりだ…。

「ほら行くぞ。湿気た面するな」

「雪兎、何食べたい?」

「…みんなのオススメで。オレあんまり祭り行ったことないから」

「嫌いなのか?」

「いや、そういうわけじゃないけど…」

祭りに行かないのって、珍しいのか…?

滝原の視線に、見透かされているような気がして居心地が悪い。

「じゃあさ、たこ焼き食べようよ!たこ焼き!」

「はぁ?祭りと言ったら焼きそばだろ」

彰矢と塩岡の言い争いは、多分しょうもない…。

でも、滝原からの視線は止んで、少しだけホッとした。
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