夢を追え!!
「…誤魔化されてくれないんだね」
「私のことですよ。なんで、本当のこと教えてくれないんですか?」
昔からそう。
大人は、オレのためってオレのことを隠そうとする。
それが嫌で、1人できた。
誤魔化されて、手遅れになる前に。
「五十嵐先生、本当のこと教えて下さい」
先生はため息をついて、カルテの中から1枚を取り出すとそれを渡してくる。
先週の、検査結果。
「思ってる以上に、結果が悪い。期限は高校卒業まで持たないと思うよ」
「…最短で、いつですか?」
手が震えるのを、誤摩化せない。
分かってたはずなのに。
やっぱり、怖い。
「薬の服用を認められるのは、検査結果次第。検査のペースを1ヶ月ごと。…短ければ、1年、持つかどうか」
診察室のドアが開く。
誰が入ってきたかなんて、見なくてもわかる。