夢を追え!!

「でもね、万が一救急搬送されるようなことがあれば、その時が期限だ」

先生の言葉は止まらず、最後まで続く。

「先生」

「雪兎ちゃんは、自分のことを偽りなく知りたいと、来たんです。受け止められると判断しました」

「ゆき、大丈夫?」

覚悟してた。覚悟、してたんだ。

泣くな。直矢たちに、後悔させるな。

「…先生、ありがとうございました。失礼します」

「っちょ、ゆき!!」

診察室を飛び出す。ダメだ、あのままあそこで泣くのなんて、見せたくない。

病院を出て、近くの公園まで来るのが精一杯。

僅かに上がった息でさえ、不安を煽る。このまま息が落ち着かなかったら、このまま心臓が速く鼓動を打ち続けたら。
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