夢を追え!!
1対1ってことは、“誤魔化し”が効かなくなる。
女子ってだけでもただでさえこんな態度なのに、もう1つの弱点まで露見したら今度こそ入部が認められないかもしれない。
どうする。オレはただ、ここに居たいだけなのに…。
溜り黙り込んでいると、先輩たちの纏う空気が徐々に悪くなっていくのを感じる。
拒否をすれば、認められない。だからと言って承諾すれば、弱点が露見するのは目に見えてる。
何を言えば理解してくれるのか分からず、黙るしかないオレに、いよいよ我慢を切らせた葛城先輩が口を開こうとする。
「ゆーきーとぉおおお」
「どわ!!?」
背後からの衝撃に口から変な声が飛び出す。振り返ってみればしたり顔の彰矢がのし掛かってきていた。
「彰矢、今は…」
「ん?…っと」
オレの視線に気がついたのか、彰矢は目の前に並ぶ先輩たちを見るとオレの背中から離れる。