夢を追え!!

「なんかあった?」

「…いや」

「1対1やるのか、やらないのか?」

しびれを切らした葛城先輩の言葉に口を閉ざす。

「俺やりたいですっ!!」

ビシッと手を上げた彰矢は、目を輝かせてる。なんか、勘違いしてないか?

もちろん、キャプテンもそんな彰矢にあきれたような目を向ける。でも、1対1を仕掛けてきた葛城先輩は、完全に苛立ちを露にしていた。

「お前はいい。荻原に言ってんだよ」

「なんで雪兎だけなんですか?」

彰矢の質問に葛城先輩は舌打ちする。それでも、彰矢はオレの前に出て、葛城先輩をまっすぐ見つめる。

「入部テストってなら、俺も受けます。そうじゃないなら、なんで俺はよくて、雪兎はやらなきゃいけないんですか」

「松谷、黙れ」

「嫌です。納得できるまで、俺は黙りません」

…彰矢にこんな一面があるなんて。

なんか、信念みたいなやつを持ってるような感じはしてた。でも、先輩に張り合うなんて思ってなかった。
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