夢を追え!!

口を挟めないでいると、彰矢はオレの前に立つ。まるで、守るように。

「先輩、カッコ悪い真似、しないでほしいんすけど」

「はぁ!?何がカッコ悪いっつうんだよ!?」

「雪兎の実力なら、昨日のミニゲームでキャプテンたちが判断したんじゃないですか?だから、昨日のミニゲームに参加した先輩は、こんなことしてない。…先輩たち、キャプテンのこと、信じてないんですか?」

彰矢の言葉は、先輩たちを黙らせるには十分だったみたいだ。

キャプテンはなにも言わない。この場の空気を支配してしまった彰矢の次の言葉を待っているようだった。

「どうしてもやるっていうなら、俺も一緒に見てください。雪兎だけに入部テストがあるなんて、不公平です」

「…」

言い切った彰矢に先輩は完全に黙り込む。

…このまま、黙っていても入部は認められる。でも、それは先輩のメンツを汚したままで、先輩たちに憎しみを残してしまう。
< 66 / 383 >

この作品をシェア

pagetop