夢を追え!!
「何言ってんのよ。先輩に全く同じこと言われたのよ。それに、こんなショボくれたゆき置いていけない」
ビシッと人差し指を突き付けられてしりもちをつきそうになる。
…ショボくれた、か。オレ、そんな風に見えるんだ。
「あんたらしくない。直矢さんも心配してるって兄が言ってたわ」
「…」
「…憧れてたんでしょ。そんな格好までして、ずっと入りたかったんでしょ。なのに、なんで…」
「ッ愛華には関係ねぇだろ!!」
思わず怒鳴ってしまった声は思いの外響いてしまう。
…こんなの、八つ当たりだ。
「…ごめん。1人にしてくれ」
「…分かった」
愛華は何も言わずに去っていく。それが申し訳なくて、ただ八つ当たりした自分に嫌気がさす。
嫌だ。嫌だ、嫌だ。こんなの、“私”じゃない。
こんなの、望んでない。