夢を追え!!

愛華を見れば、戸惑うように視線を逸らされる。

殴られた頬を拭い、愛華を突き放して腕の中から出る。立ち上がると、一身に視線を受けた。

「説明、してくれませんか」

「だから、てめぇのせいで男子サッカー部は廃部だって言ってんだろ!」

「だ・か・ら!!何があったかって聞いてるんですよ!!」

あえて強調する。それで睨みはいっそう深まったように感じたけど、説明してくれなきゃこっちだって意味が分からない。

ただ殴られて、罵られて、そんなんじゃ、絶対納得出来ない!!

「全員落ち着け!!荻原、俺が説明する」

「蛍斗!」

「だから、ちょっと落ち着け!!荻原殴っても状況は変わらないだろ!!」

キャプテンの言葉に少し落ち着きを取り戻したらしい葛城先輩だけど、オレを殺しかねない目で見てくるのはやめない。
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