夢を追え!!

キャプテンは深く息をつくと、オレに視線を向ける。

その目は、困惑と悲しみに満ちていて、キャプテンも動揺してるのが分かった。

「明日、男子サッカー部と女子サッカー部で練習試合をすることになった。…男子サッカー部が負けたら、サッカー部は男女混合の部活になる」

「…それが、廃部とどう繋がりが?」

口の中が不味い。血を吐き出したいけど、そんなことができる雰囲気じゃない。我慢してキャプテンの話の続きを待つ。

「男女混合の部活になれば、“男子”は今後公式戦に出られなくなる」

「…は?」

意味が分からない。男女混合の部活になるのに、なんで男子だけ公式戦に出られなくなる?

…そんなの、男女混合という言葉を使ってるだけで、実質男子サッカー部が女子サッカー部に吸収されるようなもんだ。

だから、廃部…ね。

ようやく話が見えてきた。

なるほど、女子サッカー部のキャプテンさんはオレのことを諦めてなかったらしい。

どうにかしてオレを女子サッカー部に加えるために、こんな回りくどいことをしてきたのか。

それに、承認する先生も先生だ。こんなの、男女平等を謳った差別だ。
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