夢を追え!!
視る目
客観視
翌日の授業後。
月掛高校のグランドには、人だかりがあった。
どこから情報が流れたのか、“男子”サッカー部の存続を賭けた“女子”サッカー部との練習試合があると校内で噂が流れたせいだ。
大半の生徒は女子に固められている。その目的は、女子サッカー部部員の人気にあった。女子サッカー部はルックスのいい部員が多く、いわゆる王子様のような扱いを受けている者も多い。
そんな彼女らの活躍を一目見ようと多くのギャラリーが集まったのだ。
そんな中で当然男子サッカー部はアウェイな空気に若干気圧されていた。
「ギャラリー多くね?しかもほっとんど女子の応援」
「むしろ俺ら応援してくれる人いんの?」
回りの空気を敏感に感じ取った3年の言葉に、一部の部員があからさまに不安な様子を見せる。
それを察知した戸木は、すぐに3年に近づいていく。