夢を追え!!

「松谷、荻原……?」

声をかけてから思わず足を止める戸木。

それもそのはず。彰矢がグランドに伸びていて、そんな彰矢の上に跨がった雪兎が彼の足を抱えているのだ。

「なにやってるの?」

「…ストレッチですけど」

質問に答えた雪兎だが、その手を止めるつもりはないらしい。

しばらく彰矢の足を伸ばしていた雪兎は、不意に彼の足を離し、上から退く。なおもグランドに突っ伏したままの彰矢の肩を揺さぶった。

「彰矢、終わったぞ」

「…もうちょい、このままにさせて」

ぷるぷると伸びた手は力尽きて落ちる。

やれやれと息をつく雪兎だが、戸木からしてみれば何をしたんだと戦くような目を向けてしまった。
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