地味OLはシンデレラ
バージンロードを歩く前に、こんなにぐったりしてる花嫁もそうそういないと思う。

さぁ!いよいよ入場1分前!
ドアの向こうには、社長、和真さんのご両親をはじめ、会社の人たちや友人たちが新郎新婦の入場を待っている。

緊張感がピークを迎えようとしている、そんな時。

「そういえば、ちゃんとプロポーズらしいこと、してなかったな」
和真さんは私の手を力強く握る。

「一生俺の隣にいろ」

体温が一気に上がる。
私を見つめる和真さんの視線を逸らすことは出来ない。

たった一言、命令口調で。
それでも私にとっては一生忘れられない、愛する人からのプロポーズ。
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