ハライメ〜悪喰の大蛇〜

そもそも、探しているものが本当に存在するかどうか怪しいところなのだ。

そろそろあきらめようかなと考えながら、手近にあったホコリまみれのプラスチックの衣類収納ケースのフタを開ける。

中には色あせた着物の生地らしきものが押し込まれていた。

それを一枚二枚とめくって……


(ん?)


下から、何か青くて平べったいものがあらわれた。

これは……本?

表紙に英語の文字が見える。


DIARY―――ダイアリー?


(日記帳だ!)


はやる気持ちでそれを引っ張り出す。

これが佳菜子の日記でありますように。

そう祈りながら表紙をめくって―――


―――私はそこで動きを止めた。


日記の一ページ目、そこに書かれている文章を、信じられない気持ちで何度も読み返す。

これは、佳菜子の日記じゃない。

私の―――



私のお母さんの、日記帳だ。





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