大好きな君へ
1章

新学期

「じゃあ、翔太郎の入学式に行ってくるわね。
まいも学校遅れないように行くのよ。
あと戸締りはしっかりしてね。」
「うん。行ってらっしゃい。」
そう言って母と父は弟の高校の入学式へ向かっていった。

私もまだ身体に馴染んでいない制服を着て家を後にする。
「よし。鍵も閉めたし大丈夫。」

私 天谷まい 高校2年生
今日は1つ下の弟の高校の入学式である。
弟は私と違ってなんでもできて優秀だ。
学校だって、私は苦労して受かったのに、彼は学業推薦で受験しようとしていたところを高校の方からスポーツ推薦できて欲しいと申し出があったのだ。
「お父さんもお母さんも私の時は2人とも来なかったのに。やっぱり翔くんはすごいな〜。今日も新入生代表挨拶するっていってたしな〜。かなわないや。」
そんなことを思いながら私は高校までの道のりを歩いた。


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