嘘つきなキミ(続編)
ーあいー

はやと、もう限界だ。
一人で立っていることもままならない。

おじさんとおばさんが部屋へ入ってくのを確認しはやとに話しかけた。

「はやと。もう、部屋に戻って?」

はやと「大丈夫だ。俺は、ゆうきの主治医だ。だから...」

「一人で立ってられないくせに、偉そうなこと言わないで。」


私は、少し強めにいった。


はやと「わかってる。わかってるけど、ゆうき、あと30分ももたないと思う。だから、それまで近くに居たいんだ。結局何もしてやれなかった。だから、せめてそれくらいしてやりたいんだ。」


はやとは、悔しそうな、泣きそうな顔をして居た。

あの時と一緒だ。
こうへいが病気の事を話した時と...。


「わかった。でも、少し横になって。」


そういうとはやとは余程辛かったのか素直に横になって、目を瞑った。


私は急いで血圧計とサチュレーションを測る機械を持ってきてもらう様に電話した。


こあは、何も言わずその光景をじっと見ていた。


しばらくし、看護師が来て一通り測ってくれた。
でも、はやとの血圧は低く、サチュレーションも低かった。

すぐに看護師が連絡をし当直の赤羽先生が来た。


赤羽「はやと先生、今すぐ病室に戻りなさい。」

はやと「先生...ゆうきが...」

赤羽「わかってる。でも、このままだとはやと先生が危ない。」

こあ「っっ?!」

はやと「すみません。今は、今だけはいう事聞けません。」


はやとはゆっくり起き上がり頭を下げた。


赤羽「...わかった。せめて、酸素だけはつけて。今持ってくるから。」

はやと「ありがとうございます。」


そう言って赤羽先生は酸素を取りに行った。

そして、はやとは倒れるようにまた横になった。


赤羽先生はリクライニングの車椅子も一緒に持って来て、はやとはそこに横になり酸素を付けた。
そして、タオルで足をギャッチアップした。


赤羽「とりあえず、これで様子を見てくれ。何かあればまた連絡ちょうだい。」

「ありがとうございます。」


赤羽先生は少し微笑んで、医局へと戻って言った。




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