嘘つきなキミ(続編)
ーこあー

カウンセリング室から出て、私はゆうきの家に向かった。


ーピンポーン


ゆうき母「はーい」

「日向こあです。」

ゆうき母「こあちゃん。いらっしゃい。」


ゆうきのお母さんの目は赤くなり、少し腫れてた。


「昨日の今日でごめんなさい。」

ゆうき母「いいのよ。さあ、上がって?きっとゆうきも待ってたわ。」

「ありがとうございます。おじゃまします。」


こあは、ゆうきが寝て居る和室へ通された。


ゆうき母「気にせず、ゆっくりしてってね。」


そう言って部屋を出て行こうとしたおばさんを引き止めた。


「おばさんっ!!」

ゆうき母「ん?どうかした?」

「その写真は、ゆうきのお兄さんですか?」

ゆうき母「そうよ。こうへいって言うの。」

「そうですか。。。」


おばさんは、私の隣に座った。


ゆうき母「それが、どうかしたの?」

「いえ。ただ、私の名前、こうへいさんから一文字もらったみたいで、でも顔も知らなかったから…」

ゆうき母「そうだったの?」

「はい。父が言ってました。でも名付けたのは母みたいですけど…。」

ゆうき母「みゆきちゃんが…。」


「はい!こうへいさんとあいちゃんみたいに愛に溢れて、幸せになれるよーに名付けたみたいです。なので、こうへいさんの光って字とあいちゃんの愛って書いて『こあ』って言います!!」

ゆうき母「そうだったの。。。」


おばさんは、涙を浮かべこうへいさんの遺影を見ていた。


「おばさん…?」

ゆうき母「ごめんね。つい、嬉しくてね。」

「?」

ゆうき母「こあちゃんは、自分の名前気に入ってる?」

「はい!もちろん!!すごく気に入ってます!!」

ゆうき母「そっかあ!!よかった!!じゃあ、ゆっくりしていってね!」



そう言って部屋を静かに出て行った。





< 130 / 278 >

この作品をシェア

pagetop