嘘つきなキミ(続編)
ーはやとー



ーコンコン

はやと「はーい」


ーガラガラ


入ってきたのは、赤羽先生だった。


赤羽「はやと先生。」

「はい…」

赤羽「言いたい事は、山程あるけど今は言わないでおく。」

「すみませんでした…」

赤羽「検査結果だけどね…」

「脳腫瘍ですよね。」


俺は、赤羽先生の言葉を遮って言った。


赤羽「ぁあ。その通りだ。」

「ステージは…」

赤羽「…4だ。」

「まぢか。」


心の声がダダ漏れだった。


赤羽「ぁあ。」

「先生。」

赤羽「ん?」

「モルヒネ出してください。」

赤羽「何言ってんだ。まだ…」

「先生。俺、これでも医者っすよ」

赤羽「…」


先生は、何も言わなかった。
うんう。違う。
言えなかったんだ。


俺も、赤羽先生も分かっていたから。
もう末期だって。
手術には、耐えられないって…。




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