嘘つきなキミ(続編)
ーはやとー

あいが出て行って暫くしてこあが来た。


こあ「お父さん!」

「こあか。よく来たな。」

こあ「それ、お父さんが高校生の時の写真?」

「ぁあ。さっきあいに持って来てもらったんだ。」

こあ「見てもいい?」

「ぁあ。」


こあは、一枚一枚手に取り微笑ましい顔で見ていた。


こあ「お父さん、若い!!」

「そりゃそーだろ。こうへいが写ってるで今のこあぐらいの時かな?」

こあ「そっか!」


俺は、こあの顔を見ていた。


こあ「ん?なに?」

「大っきくなったなと思ってな。」

こあ「でしょー?」


そう言ってこあは、自慢げな顔をしていた。

そして、また写真に目を向け、話し出した。


こあ「ねえ、お父さん?」

「なんだ?」

こあ「あんまり、あいちゃんの事不安にさせちゃダメだよ?」

「あい?」

こあ「うん。さっき、あいちゃんに会ったけど凄く不安な顔してたよ。」

「そうか。」


こあは、俺の目をしっかり見た。


こあ「あいちゃんは、気づいてるよ。」

「なんの事だ?」


俺はとぼけたけど、こあは分かっていたんだと思う。
でも、言い出せなかった。


こあ「一番お父さんがわかってんじゃないの?」

「よくわからんやつだな。」


こあは、ふふふっと笑って病室を後にした。



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