それはきっと、幻だった

女子4人で楽しく会話をしていると。


「はーしもーとさんっ。」

どかっと、急にわたしの頭の上に誰かの腕がのしかかった。

誰か、って言っても正体はすぐにわかる。

「木村。重い。」

私は力いっぱい腕を払いのけた。

少なくとも、これは昨日まで彼女がいた人がやる行動ではない。

男子にはわからないのか。それともただ木村がバカなだけなのか。

こういうことをされて周りから冷たい目で見られるのは大抵私の方なのだ。

「あ、蓮〜。いつも葵ばっかりじゃん。瑠奈にもやってよ〜。」

それを見ていた瑠奈が甘ったるい声を出す。
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