それはきっと、幻だった
ぼんやりとしていると授業が終わった。
先生が教室を出て行った瞬間に携帯を開く。
彩花ちゃんからのラインが1件。
『急にごめんね。相談があるから放課後ちょっといいかな?』
うわぁ…。やだな。
思わず顔をしかめてしまう。
『その相談ラインじゃだめかな?』
私が返信をした瞬間に既読がつき、そしてすぐに向こうからのラインが返ってきた。
『できれば直接がいいな。放課後なんか用事あったりする?』
ないよ。放課後はものすごく暇だよ!
でも相談って木村のことだよね?あんまりいい話ではない気がするし…。
そんなことを考えながらも
『わかった。じゃあ放課後教室で。』
なんて送ってしまう。