大胆な彼【短編】
私の住んでいる辺りの高校は全て同じ日に文化祭が行われていたので私学に行った健一以外は皆誘う事が出来なかった。
といっても私は結局健一を誘うことは出来なかった。
祭りの日は健一が空いてる事を知っていたから誘えたものの、
文化祭の日に予定が入ってたらどうしよう…と考えすぎて結局誘えないまま文化祭を迎えた。
店は大繁盛で午前中は忙しかった。
昼になりようやくお客さんが減って、一息をつく。
うちのクラスはゲーム系をしていたので昼になりお客さんは食べ物系の店に流れたのだろう。
近くにいた西河と話していた。
西河とは席が隣だったので入学して一番最初に仲良くなった男子。
穏和で優しいので一緒にいるとほっこりする。
西河「疲れたね〜」
紅葉「だね〜。やっと休憩出来るよ!」
西河「御剣(みつるぎ)はずっと動いてくれてたもんね」
紅葉「いやいや、西河こそ朝からずっと店番してるでしょ。回らなくて良いの?」
西河「いいよ、店番の方が楽しいし。それにあの人混みに入る自信ないよ」
確かに廊下には朝よりも人がたくさん行き交っている。
紅葉「あぁ、私も人酔いするからだめだぁw」
西河「あ、御剣。髪に何かついてる」
紅葉「ほんと!?」
西河「あぁ、飾りの綿だ」
紅葉「さっき引っかかったのかな?取ってー」
西河「うん。後ろ向いてー」
私が後ろを向いて西河が取ってくれようとした時だった。
「俺がやるからいい」
見なくても声ですぐに誰だか分かった。
紅葉「健一!?」
西河「友達?」
紅葉「あ、うん。中学の時の…」
健一「紅葉借りても良いですか?」
紅葉「えっ?」
西河「今はお客さん少ないし、行っておいで」
健一はそれを聞くと私の手を握って歩きだした。
私はとっさに西河に手で"ごめんね!"とした。
西河は笑顔で手を振ってくれた。
周りのクラスメートは口々に「誰ー?」「彼氏!?」などと言っている。
手なんか繋ぐから!
と思っていても嬉しくてつい握り返してしまう。
といっても私は結局健一を誘うことは出来なかった。
祭りの日は健一が空いてる事を知っていたから誘えたものの、
文化祭の日に予定が入ってたらどうしよう…と考えすぎて結局誘えないまま文化祭を迎えた。
店は大繁盛で午前中は忙しかった。
昼になりようやくお客さんが減って、一息をつく。
うちのクラスはゲーム系をしていたので昼になりお客さんは食べ物系の店に流れたのだろう。
近くにいた西河と話していた。
西河とは席が隣だったので入学して一番最初に仲良くなった男子。
穏和で優しいので一緒にいるとほっこりする。
西河「疲れたね〜」
紅葉「だね〜。やっと休憩出来るよ!」
西河「御剣(みつるぎ)はずっと動いてくれてたもんね」
紅葉「いやいや、西河こそ朝からずっと店番してるでしょ。回らなくて良いの?」
西河「いいよ、店番の方が楽しいし。それにあの人混みに入る自信ないよ」
確かに廊下には朝よりも人がたくさん行き交っている。
紅葉「あぁ、私も人酔いするからだめだぁw」
西河「あ、御剣。髪に何かついてる」
紅葉「ほんと!?」
西河「あぁ、飾りの綿だ」
紅葉「さっき引っかかったのかな?取ってー」
西河「うん。後ろ向いてー」
私が後ろを向いて西河が取ってくれようとした時だった。
「俺がやるからいい」
見なくても声ですぐに誰だか分かった。
紅葉「健一!?」
西河「友達?」
紅葉「あ、うん。中学の時の…」
健一「紅葉借りても良いですか?」
紅葉「えっ?」
西河「今はお客さん少ないし、行っておいで」
健一はそれを聞くと私の手を握って歩きだした。
私はとっさに西河に手で"ごめんね!"とした。
西河は笑顔で手を振ってくれた。
周りのクラスメートは口々に「誰ー?」「彼氏!?」などと言っている。
手なんか繋ぐから!
と思っていても嬉しくてつい握り返してしまう。