本気のパイライト
そう教えてくれた愛生の顔は、とても悲しそうに歪んでいた。
友達が好きになった人が自分の好きな人だったなんて、聞かされたらショックに決まってる。
それでも雅美ちゃんのことを応援すると言った愛生に、私は大した言葉を掛けることが出来なかった。
1人で抱え込んで、辛かったよね……。
どうしてもブルーになってしまう気持ちのまま愛生に視線を向ければ、愛生の楽しそうな顔が目に入る。
「愛生……」