本気のパイライト
じゃあ私はずっと、岩崎先輩の妹さんに嫉妬してたってこと……?
自分の馬鹿さに心の中で呆れていると、先輩がポツリと言った。
「まさか、渡良瀬ちゃんの言ってた大事な人が弟だとはなぁ……」
「っ、」
今さら言い訳できるはずもなく、私は赤くなっていく顔を下に向ける。
「はぁ……」
先輩、ため息ついてる……。
私、呆れられちゃった?
それともやっぱり、ブラコンなやつだと思われたかな…。
不安でいっぱいになっていく胸を抑えていれば、先輩は口に手を当てて言った。
「……よかった」