本気のパイライト


「…?舞子ちゃん、どうかしたの?」


私の様子に気づいた男がゆっくりと私の顔をのぞき込んできた。


だめ…。このままじゃ、もっと嫌な女になっちゃう…。


私は1つ、息をついてから男に笑顔を見せて答える。


「ごめんなさい。ちょっとお手洗いに行ってきてもいいですか?」


「あ、うん、いいよ」


顔を少し赤くして頷いた男を置いて、私は部屋から出て行った────。

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