本気のパイライト


「じゃあ今日の放課後、俺の歌唱力を見せてやるよ」


「え…」


「ちょうど部活もオフだし、渡良瀬ちゃんも華道部は今日オフだろ?」


「なんで知って…」


「知り合いが言ってたんだよ。とにかくそういうことだから、今日の放課後カラオケに行くぞ!」


「え、ちょっと…」


急な展開に慌てて静止をかけようとすれば、先輩はニヤッと口角を上げて私を見てくる。


「…逃げんのか?」

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